保育士になる為の一つの方法として、保育士試験に合格する方法があります。
保育士試験は年に2回開催されており、試験に合格することで保育士資格を取得することができます。
『保育士試験を受けてみたいけれどどんな試験内容なんだろう…』『今年はいつ試験があるのかな?』『費用はいくらかかるの?』などお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで当ページでは2023年度保育士試験の試験の日程や、保育士試験の概要、スケージュールなど詳しく紹介しています。
この記事を読めば【2023年度の保育士試験の概要】が分かり、実際に保育士試験を受けるかどうか検討できるようになるので是非お役立てください。
保育士試験とは
保育士資格を取得する為には、
①厚生労働省が指定する大学、短期大学、専門学校などで保育に関する指定科目を履修しして卒業する
②保育士試験を受験して合格する
という2つ方法がありますが、学校に通わずに保育士資格を取得する方法として保育士試験が設けられています。
保育士試験は前期(春)・後期(秋)と年2回開催されており、試験内容は筆記試験と実技試験があります。
筆記試験の9科目を合格した人のみが実技試験に進むことができます。
2023年度 試験日程
それでは2023年度の保育士試験の概要を見ていきましょう。
1次試験は筆記試験、2次試験は実技試験という構成となっていて筆記試験(9科目)は2日間に分けて行われます。
<前期試験>
筆記試験 | 2023年4月22日(土) 2023年4月23日(日) |
実技試験 | 2023年7月2日(日) |
<後期試験>
筆記試験 | 2023年10月21日(土) 2023年10月22日(日) |
実技試験 | 2023年12月10日(日) |
試験費用
保育士試験にかかる費用は12,950円です。
(内訳:受験手数料12,700円プラス受験申請の手続き郵送料250円)
受験申し込み方法
保育士試験を受験するには「一般社団法人全国保育士養成協議会」の公式サイトから申請を行う必要があります。
申請方法は2種類で『オンライン申請』『郵送申請』があります。
オンライン申請では最短5〜10分で申し込みが出来ます。
※申し込み方法や期限など詳しい情報は『受験申請の手引き』でご確認下さい。
受験申請方法の詳細(一般社団法人全国保育士養成協議会HP)
【保育士試験の主な流れ】
保育士試験の受験申請から試験までのスケジュールは例年一緒です。
だいたいの流れを知っておくと、ギリギリになって焦る心配もないので頭の片隅に入れておきましょう!
- 1月頃受験申請書の受付
- 4月上旬頃筆記試験受験票の受領
- 4月下旬頃筆記試験の実施
- 6月上旬頃筆記試験の合格通知
- 7月上旬頃全科目合格者 実技試験の実施
- 8月上旬頃合格または一部科目の合格通知
筆記試験の約3ヶ月前には受験申請が締め切られるので早めに『受験の手引き』を取り寄せ、余裕を持って手続きをする事をおすすめします。後期試験の流れもだいたい同じなので、忘れずに受験申請をしましょう!
受験資格について
保育士試験を受験するのに年齢制限はありません。
しかしながら保育士試験を受験する為には受験資格をクリアしていなければなりません。
最終学歴によって受験資格をクリアしているかが異なる為、自分が受験資格をクリアしているか必ず確認しましょう。
以下のいずれかをクリアしていれば保育士試験を受験することができます。
【学歴による受験資格】
✔️1991(平成3)年3月31日までに高校を卒業している
✔️1996(平成8)年3月31日までに高校の保育科を卒業している
✔️大学・短大・専門学校などを卒業した人(保育とは関係のない大学や短大を卒業した人でも受験可能)
【学歴による受験資格を満たさない場合】
✔️最終学歴が高校卒業の場合、高校卒業後に児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間の実務経験がある人
✔️最終学歴が中学卒業の場合、中学卒業後に児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間の実務経験がある人
上記のどれかに条件が当てはまっていれば保育士試験を受験することができます。
『自分が受験資格をクリアしているか分からない』『海外の学校を卒業している』などの場合は、受験資格があるかどうか保育士養成協議会に問い合わせて確認しましょう。
▽詳しい受験資格の詳細はこちら▽
受験資格の詳細(一般社団法人全国保育士養成協議会)
試験概要
次に保育士試験の概要について詳しく解説していきます。
先ほども説明しましたが、保育士試験は9科目の筆記試験(1次試験)と実技試験(2次試験)で構成されている試験で、筆記試験(9科目)は2日間に分けて行われます。
【筆記試験】
形式:マークシート形式 合計160問
(穴埋めに当てはまる語句や適不適切の正しい組み合わせなどについて問われる)
合格基準:100点満点で60点以上(教育原理と社会的容疑は50点満点で合格基準は30点以上)
【試験の持ち物(机に置けるもの)】
✔️ 受験票
✔️ HB〜Bの鉛筆又はシャープペンシル・消しゴム
✔️ 腕時計(アラームが鳴らないもの)
【時間割】
試験の時間割は前期・後期同じです。
<1日目>
試験科目 | 試験時間 |
1科目目:保育の心理学 | 11:00〜12:00 |
2科目目:保育原理 | 13:00〜14:00 |
3科目目:子ども家庭福祉 | 14:30〜15:30 |
4科目目:社会福祉 | 16:00〜17:00 |
<2日目>
試験科目 | 試験時間 |
5科目目:教育原理 | 10:00〜10:30 |
6科目目:社会的養護 | 11:00〜11:30 |
7科目目:子どもの保健 | 12:00〜13:00 |
8科目目:子どもの食と栄養 | 14:00〜15:00 |
9科目目:保育実習理論 | 15:30〜16:30 |
【科目別の出題範囲】
科目 | 問題数 | 出題範囲 |
保育原理 | 20問 | 1.保育の意義 2.保育所保育指針における保育の基本 3.保育の目標と方法 4.保育の思想と歴史的変遷 5.保育の現状と課題 |
教育原理 | 10問 | 1.教育の意義、目的及び児童福祉等との関連性 2.教育の思想と歴史的変遷 3.教育の制度 4.教育の実践 5.生涯学習社会における教育の現状と課題 |
子ども家庭福祉 | 20問 | 1.現代社会における児童家庭福祉の意義と歴史的変遷 2.児童家庭福祉と保育 3.児童家庭福祉の制度と実施体系 4.児童家庭福祉の現状と課題 5.児童家庭福祉の動向と展望 |
社会福祉 | 20問 | 1.現代社会における社会福祉の意義と歴史的変遷 2.社会福祉と児童家庭福祉 3.社会福祉の制度と実施体系 4.社会福祉における相談援助 5.社会福祉における利用者の保護にかかわる仕組み 6.社会福祉の動向と課題 |
社会的養護 | 10問 | 1.現代社会における社会的養護の意義と歴史的変遷 2.社会的養護と児童家庭福祉 3.社会的養護の制度と実施体系 4.施設養護の実際 5.社会的養護の現状と課題 |
保育の心理学 | 20問 | 1.保育と心理学 2.子どもの発達理解 3.人との相互的かかわりと子どもの発達 4.生涯発達と初期経験の重要性 5.子どもの発達と保育実践 6.生活や遊びを通した学びの過程 7.保育における発達援助 |
子どもの保健 | 20問 | 1.子どもの健康と保健の意義 2.子どもの発育・発達と保健 3.子どもの疾病と保育 4.子どもの精神保健 5.環境及び衛生管理並びに安全管理 6.健康及び安全の実施体制 7.保健活動の計画及び評価 |
子どもの食と栄養 | 20問 | 1.子どもの健康と食生活の意義 2.栄養に関する基本的知識 3.子どもの発育・発達と食生活 4.食育の基本と内容 5.家庭や児童福祉施設における食事と栄養 6.特別な配慮を要する子どもの食と栄養 |
保育実習理論 | 20問 | 1.保育所/児童福祉施設の役割や機能 2.保育士の職業論理について 3.保育実践に係る計画(保育家庭・指導計画)と実践・評価 4.児童福祉施設における児童の生活と援助活動 |
【実技試験】
1次試験の筆記試験に全科目合格をすると2次試験の実技試験を受けられます
・音楽に関する技術
・造形に関する技術
・言語に関する技術
からいずれか2つを選択。
実技試験(2次試験)は各50点満点のうち2分野とも30点以上・合計60点以上で合格です。
【科目別問われる技術】
<音楽に関する技術>
幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする。
2022年度課題曲:『小鳥のうた』『びわ』
注意事項
- ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで演奏すること。(楽譜(紙)の持ち込み可)
- 歌詞は1番のみ
- ピアノ以外の楽器は持参
<造形に関する技術>
保育の一場面を絵画で表現する。
注意事項
- 表現に関する問題文と条件を試験の当日に提示
- 当日示される問題文で設定された一場面を、条件を満たして表現する
<言語に関する技術>
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、4つの課題のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う。
2022年度課題:『ももたろう』『2びきのこぶた』『おおきなかぶ』『3びきのやぎのがらがらどん』
注意事項
- 子どもは15人程度が自分の前にいることを想定して行う。
- 一般的なあらすじを通して、3歳の子どもがお話の世界を楽しめるように、3分にまとめる。
- お話の内容をイメージできるよう、適切な身振り・手振りを加える。
保育士試験の合格率
保育士試験の合格率は低いとよく言われていますが、厚生労働省が発表した令和3年度の全体の合格率は19.96%でした。
例年の合格率の推移を見ると平均20%前後だと言えます。
なぜこんなに合格率が低いのかというと、筆記試験の科目が9科目もあることがあげられます。
また、その筆記試験もすべての科目において6割以上の得点が必要なので1次試験を合格するのが難しいと言われています。
しかし、一度合格した科目は3年間免除されるという事と、2016年から年2回保育士試験が実施されるようになり以前に比べて資格を取得しやすくなったので以前に比べて合格率は上がってきているのが現状です。
試験の問題傾向を把握し、しっかりと試験に備えれば保育士資格の取得は可能です!
では次に難関の1次試験を受かるための学習方法について紹介していきます。
難関1次試験を合格するには?
難関と言われる一次試験ですが学習方法の選択肢として、
① 通信講座を取って学習する
② テキストを購入して独学で学習する
の2つの方法があります。
どちらの学習方法が良いのかは人それぞれ違うので自分の性格やライフスタイルに合わせて学習方法を選ぶことが合格への近道です!
【通信講座に向いている人】
✔️確実にはやく資格を取得したい人
✔️独学だとなかなかモチベーションを維持するのが難しいという人
②の独学でも一発合格している人も数多くいますが、初めての受験で9科目すべて独学で一発合格するのは難関です。
また、根気よく9科目学習していかなければならないので性格的に通信講座を取ったほうがある程度自分に負荷をかけられるので良いという場合も。
別記事で人気保育士通信講座の紹介をしています!
【独学に向いている人】
✔️低コストで保育士資格を取得したいと思っている人
✔️自分のペースで学習したい人(在職中・子育て中など)
実際これまで多くの人が独学で保育士資格を取得してきました。
一発で1次試験の全科目を合格した人も数多くいますが、免除期間を使って3年かけて合格する人も多いです。子育て中・保育ではない仕事をフルタイムでしているなど、状況は人それぞれ。
自分のペースに合わせて学習できるのがいいですよね。
①②のどちらともその人によってメリット・デメリットがあるので、どちらが確実に良いというのはありませんが、自分に合った方法を見つけることが資格取得への一番の近道です。
学習期間について
『合格率が低いから結構な期間勉強しないと保育士資格取れないの?』と思う方も多いと思いますが、学習期間の目安は通信講座の場合8ヶ月〜12ヶ月と設定されている事が多く、独学の場合は100〜150時間(個人差あり)の学習が必要と言われています。
時間でいうと毎日45分学習して6ヶ月程度かかると想像してもらえると分かりやすいと思います。
独学の場合の学習期間は人それぞれですが、3年かけて合格を目指す人も多くいます。
最後に
資格を持っていると好条件で好きな仕事が見つかったり、自分のライフスタイルに合わせて働き方を変えていく事ができます。
合格率が低いと言われる保育士試験ですが、自分に合った学習方法を見つけてしっかりと学習していけば独学でも資格を取得することが可能です!
まずはどんな学習方法が自分に合っているのか見つけていきましょう!